2026.02.15
「AIで作れる」と「通用する」は異なる、と感じた話
「作れる」だけでは足りない場面に直面してきた経験から、AIで本当に代替できるものは何かを率直に語る。
はじめに
「AIを使えば、プログラミングをやってくれるから、アプリケーション開発ができる」
だから、エンジニアはいらないし、職を失うだろう。
こうした主張を目にする機会が増えました。この指摘は、一定正しいと思っています。実際、AIを使えば驚くほど簡単にアプリやWebサイトを作れるようになりました。
一方で、僕自身が個人でアプリケーションを運用し、マーケティングを考え、デザインを作成し、時には友人にデザインを外注する中で、「作れる」だけでは足りない場面に何度も直面してきました。
この記事では、Webアプリケーションを開発しているエンジニアであり、個人でもアプリのUIやマーケティングを考えている一個人として、AIで本当に代替できるものは何か? について、率直に感じていることをお話しします。
「できる」と「満足するクオリティ」は別物
AIを使えば、多くのものが「作れる」ようになりました。LPも、アプリの画面も、ロゴっぽいものも、それっぽく作れます。
しかし、「作れる・できる」という事実と、そのクオリティが十分かどうかは、まったく別の話です。
もちろん、質をそこまで求めないものは一定あります。社内向けの簡単なツールや、とりあえず動けばいいプロトタイプなど。そういったものに関しては、AIに任せてしまうのが合理的です。
一方で、クオリティが求められる領域に関しては、まだAIだけでは代替できないというのが、僕の正直な実感です。
ここで一番重要なのは、「作れる」が全てを解決してくれるわけではない、ということです。
「AIが出す70点の成果物」に価値はあるのか?
ここで少し立ち止まって考えてみたいのですが、そもそも AIが出す70点の成果物 に、どれだけの価値があるのでしょうか?
これは目的によって変わります。
- ぱっと見でいい感じに見えれば、それでいいのか?
- それによって売上を上げたり、ユーザーに行動してもらいたいのか?
状況に応じて変わりますが、多くの場合は後者ではないでしょうか。そもそも「作ること」自体が目的ではないはずです。
プログラミングの場合
例えば、アプリケーション開発の場合。規模が大きくなりコードの量が増えていくと、バグが多発して、AIでも修正が追いつかなくなることがあります。
これは現状のAIでも解決が難しい課題で、「AIで作ったアプリはダメだ」と言われることがあるのは、こうした背景があるからです。
LPやデザインの場合
もう一つ、僕自身が強く感じているのがLPやデザインの領域です。
例えば、LPを作る目的は ユーザーに魅力を伝えること です。見栄え自体は問題なくても、本当に魅力が伝わっているか?ユーザーの行動につながっているか? という観点で見ると、話は変わってきます。
ユーザーの期待値が「80点」のクオリティだとしたら、AIを使って70点の成果物を出しても、期待を下回っている以上、効果は出ません。
良し悪しの判断は難しい。でも、結果には確実に影響している
ここで厄介なのが、成果物の良し悪しは、専門家でないと正確に判断できないという点です。
僕自身、個人開発でアプリのデザインやLPを作る中で、こんなことを感じてきました。
- 成果物の良し悪しを自分では正確に判断できないので、「ぱっと見良さそう」であれば、そのまま突っ走りがち
- しかし、お客さんやユーザーは無意識のうちにクオリティを評価して行動している
- 作成者が評価できないからといって、質の低い成果物で問題ないわけではない
つまり、自分が違いに気づけなくても、受け手はちゃんと感じ取っているということです。これは、デザインに限らず、文章やプレゼン資料など、あらゆるアウトプットに当てはまると思います。
「作る」を目的にせず、成果に注目する
ここまでの話を踏まえると、大切なのは 「作る」を目的にしない ことだと感じています。
- 外注するのがベストなのか、AIに任せるのがベストなのかは、状況に応じて変わる
- 今やりたいことは何か?目指す成果は何か?に照らし合わせた上で、最適な方法を選ぶ
僕自身の場合、アプリの画面デザインはAIを活用しつつ自分で作り、LPのデザインは部分的に友人に外注する、という使い分けをしています。
これは「AIが使えないから」ではなく、「この部分はAIの70点では足りず、80点以上のクオリティが必要だ」 と判断したからです。
結局のところ、何のために作るのか? という目的意識が、AIを使うかどうかの判断基準になります。
おわりに
- AIは魔法のようなツールだが、全てを解決してくれるわけではない
- 「作れる」と「成果が出る」は別物。クオリティが必要な領域は、まだ人の判断が不可欠
- 何に注目するか、何を目的とするかで、最適な方法は変わる
- 「結果」ではなく「成果」で判断する。作ったかどうかではなく、それによって何が得られたかが大切
また、後日、僕自身がエンジニアとしてAIとどう向き合っているか? どのようなところを意識して仕事や個人開発を行っているのか? についても書きたいと思います。
もし興味があれば、ご覧いただけると嬉しいです。